たんぱく質の摂り過ぎで起こる5つの症状!

たんぱく質の摂り過ぎで起こる5つの症状!

肝臓・腎臓に負担をかける

肝臓・腎臓に負担をかける

体内に摂り込んだたんぱく質は、小腸で体内で吸収できるアミノ酸に分解されて肝臓に運ばれ、肝臓で貯蔵されます。そして必要な時に合成し、血漿(けっしょう)たんぱく質として血中へ供給しています。

肝臓では、貯蔵されたアミノ酸から毎日約50gのたんぱく質が合成されていますが、余分なアミノ酸は分化されて窒素になり、その後アンモニアに分解されます。アンモニアは人体に有害な物質である為、肝臓で無害な尿素へと変換されて尿と一緒に体外へと排泄されるわけです。

分解されたアミノ酸が体内で必要な量であれば、肝臓が解毒作業をする必要が無く負担がかかりませんが、タンパク質を多く摂り過ぎてしまうとアミノ酸量が増える為、肝臓に負担が掛かるのです。

更に、尿として排泄させるためには腎臓の働きも必要となります。腎臓には、糸球体と呼ばれる糸くずの塊のような形状をした毛細血管があり、この糸球体が血液内に含まれるたんぱく質の老廃物(尿素窒素・尿酸など)や、アミノ酸などをろ過しています。そのため、たんぱく質を多く摂り過ぎてしまうと、肝臓と同様に腎臓にも大きな負担が掛かることになるわけです。

肝臓や腎臓に過度の負担が掛かると内臓疲労を起こしてしまい、それによって肝臓の機能や腎臓の機能が低下して本来の働きが行えなくなる可能性があります。すると、食欲低下・腹部の膨張感・足のむくみ・貧血等、体に様々な悪影響が起こってきます。こうしたことから、たんぱく質を必要以上に摂り過ぎることは避ける必要があります。

腸内環境が悪化する

腸内環境が悪化する

人間の腸内には100種類から3000種類のも細菌が生息しているとされ、その総数は100兆個から1000兆個ともいわれています。現在もまだ見つかっていない細菌も多く、分析技術が進歩するたびにその種類・総数は増えている状況です。

これらの腸内細菌は、大きく善玉菌・日和見(ひよりみ)菌・悪玉菌の3種類に分類することができ、その比率は善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1というバランスになっています。日和見菌とは、普段は善玉菌でも悪玉菌でのない中立の立場にいる菌で、腸内環境の変化に応じて善玉菌にも悪玉菌にも変化します。

たんぱく質の中でも特に動物性たんぱく質を大量に摂取してしまうと、その全てを分解・吸収することができず、そのまま腸内へと送られてきます。送られてきた余分なたんぱく質は悪玉菌のエサとなり、どんどん増えてしまいます。すると、中立の立場の日和見菌も悪玉菌へと変化するため、善玉菌と悪玉菌の割合が2:8となって腸内環境が悪化するのです。

腸内環境が悪化すると、腸のぜん動運動が鈍くなり便が排出されなくなり便秘を起こします。便がいつまでも腸内に止まっていることで、便の毒素が体内に充満することになり血行が悪くなる・吹き出物が増える・自律神経のバランスが崩れる等、体に様々な悪影響を及ぼす結果となります。

たんぱく質は人間にとって大切な栄養素ではありますが、大切な栄養素でも必要量を上回って摂取すると逆に悪影響を与える物質になってしまうので、必要以上の摂取は避けなければなりません。

脱水状態になる

脱水状態になる

糖質制限ダイエットなどで炭水化物の摂取を抑えている場合、エネルギー源となる炭水化物が得られないため、代わりにたんぱく質が使用されることになります。しかし、炭水化物をたんぱく質に置き換える際には、通常よりも大量の水分を必要とします。普段からあまり水分を摂取していないと、さらに水分が不足するので脱水症状を引き起こす可能性があります。

たんぱく質を摂り過ぎていると肝臓や腎臓に負担か掛かりますが、特に腎臓では血液中の尿素窒素などのたんぱく質老廃物をろ過した後、尿として排泄させる為に大量の水分を使用することになり、脱水症状を引き起こしやすくなります。

常にたんぱく質を過剰に摂取していると、腎臓が常に働いている状態となり腎機能が低下する恐れがあります。腎機能が低下してもたんぱく質の老廃物である尿素窒素は作られ続ける為、血液内にどんどんと溜まっていくことになり、尿素窒素の値が上昇していきます。

尿素窒素の基準値は8mg/dl~21mg/dlとなっており、値が40mg/dl以上の場合には腎不全を起こしている可能性が考えられます。腎不全を引き起こすと、①体内に老廃物が溜まりむくみや倦怠感が生じる、②電解質のバランスが崩れて吐き気・嘔吐・食欲不振などを起こす、③腎臓内の血流量が減少することで血圧が上昇する、④赤血球の新生促進因子(造血ホルモン)の分泌量が減少し貧血を起こす、⑤活性型ビタミンD3が作られないために、小腸からのカルシウム吸収が阻害され血中カルシウム濃度が低下して骨がもろくなる、といった症状が出ます。

カルシウム不足による骨粗しょう症

カルシウム不足による骨粗しょう症

腎臓では、①老廃物のろ過・②電解質のイオンバランスの保持・③血圧の調整・④造血ホルモンの分泌・⑤活性型ビタミンD3の変換といった5つの働きを行っていますが、たんぱく質の過剰摂取によって腎不全を引き起こすと、活性型ビタミンD3が作られなくなってしまいそれが原因でカルシウム不足に陥り、最終的に骨粗しょう症を引き起こす可能性があります。

5つの機能のうち活性ビタミンD3の変換とは、骨にカルシウムをより沈着させる為にビタミンDを活性型ビタミンD3へと変換する働きのことで、これにより小腸からカルシウムを効率良く吸収することができなくなり、血中のカルシウム濃度が低下してしまうのです。

活性型ビタミンD3が作られていると、およそ200mg~400mgのカルシウムが小腸から毎日吸収されています。ところが、腎不全によって活性型ビタミンD3が作られなくなると、血中カルシウム濃度が低下してしまい、それを補おうとして副甲状腺ホルモンのPTHが指示を出して、骨の中のカルシウムを溶かして血液へと送り込もうとするのです。

これにより、血中のカルシウム濃度は正常に保つことができますが、骨を構成しているカルシウムが不足する為、骨がスカスカ状態になって骨粗しょう症を招いてしまうわけです。骨粗しょう症になると、ちょっと転んだだけでも骨折する可能性が高く、将来は寝たきりとなるリスクがあります。治療も長期的に行わなければならず、とても辛いものです。そうならないためにも、たんぱく質の過剰摂取は避ける必要があります。

太る

太る

糖質を避けてたんぱく質を多く摂取していても、カロリーオーバーを引き起こして太る場合があります。特に肉や卵などの動物性のものはカロリーが高く、また脂肪分の多い肉類を過剰に摂取することで、脂肪分も多く摂り込むことになる為、結果的に1日の必要カロリーをオーバーしてしまうことになるわけです。また、たんぱく質は筋肉を構成するために必要な栄養素であることから、過剰に摂取することで筋肉量が増え、その分体重も増加する傾向にあります。

イギリスのある男性が、たんぱく質量の異なる3つの食事をそれぞれ8週間続け、その後の体重の変化を比較したデータがあります。食事は、①たんぱく質が5%の食事・②たんぱく質が15%の食事・③たんぱく質が25%の食事の3パターンで、実験中は運動は一切しません。

3パターンの食事を8週間続けた結果、①~③の全てのパターンで体重が増加し、その中で最も体重増加が少なかったのは、①の食事となりました。しかし、①で増えたのは脂肪であり、③の食事ではたんぱく質が筋肉に代わり、その分体重が増えたということになります。この実験から、たんぱく質を多く摂取することで、筋肉量が増えて体重が増加することが分かりました。

糖質だけが太るのではなく、たんぱく質を多く摂取しても太り方には違いかがありますが、カロリーオーバーを引き起こして体重増加につながるのです。低糖質ダイエットが人気となっていますが、炭水化物の代わりとしてたんぱく質を多く摂るは太る原因となる為、バランス良く摂取することが大切です。

健康カテゴリの最新記事